学生相談

最初に学生相談に身をおいた時には学生たちがとてもまぶしく見えたことが記憶にあります。

学生達の相談にのっていく中で、彼・彼女らは自分ではまだ生計が立てられない中で、
わずかな自由の中でもがき苦しんでいることがわかってきました。

「クラスの人となじめない」「進級の問題」「就職活動について」「家族の問題」「自分の性格について」・・・

彼・彼女らの問題は山積しており、日々気持ちが揺れ動く中で対処し難い様子が切々と伝わってきました。

「昨日、死のうとして・・・」と語ってくれる学生もいました。

初対面の人に自分の思いつめた苦しい気持ちを語ることは容易なことではなかったと思います。

人生の折り返し地点にいる私でも生きることは決して容易くありません。
けれど、20歳前後の学生さん達に比べたら、少しはやり過ごす術もあると思います。

やり過ごす術をまだ持たない、ストレスに対処するにはお金や時間の自由のない彼・彼女らの世界でできること、対処法を一緒に一生懸命考えました。

私には想像つかないような現代でのコミュニケーションの在り方、大学からの評価の変容、「自分は何者なのか」という問い・・・

私も答えを出さず、出さないままにやり過ごしてきた問題に彼らと共に向き合う場面が多々ありました。
彼らの毎日は一つ一つの出来事の刺激が強く感じられるようで、また、一日の長さも私が感じるよりも長く感じているようでした。

同じ時間を生きながら、全く世代の違う二人で懸命に問題に向き合う作業はやりがいのあるものでした。

いつかまた、学生と向き合って、生きることについて、自分について、まっすぐに正面から向き合う作業ができたらと思います。
そして、卒業していく学生のどこか晴れやかな姿を見届ける日が再度来たらいいなと思っています。